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useful5月機械受注、予想外の連続減 投資先送り表面化

更新日:2016.07.23|お役立ち情報 新着情報 ビジネス

内閣府が11日に発表した5月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月の大幅減にもかかわらず2カ月連続で減少した。受注額は2014年6月以来の低水準となった。円高や海外減速の影響で製造業が2カ月連続で落ち込んだほか、内需も弱く非製造業は3カ月連続で減少した。企業の投資姿勢が慎重化し、計画が先送りされている可能性をうかがわせる。5月(訂正)の機械受注は前月比1.4%減の7850億円となった。ロイターの事前予測調査では2.6%増と予想されていたが、これを下回った。前年比では11.7%減少した。製造業は同6.4%減。前月に2桁の減少だったが、さらに落ち込んだ。非製造業は同0.3%減で、3月以降の落ち込みが止まらない。また、外需は同14.8%減と2桁の落ち込みとなり、2カ月連続で減少した。四半期でみると、内閣府が企業からのヒアリングに基づいて試算している4─6月の見通しは前期比3.5%減で、3四半期ぶりの減少となっている。ただ4、5月の実績値が連続で減少しているため、このマイナス見通しの実現すら厳しい。

内閣府は機械受注の判断を下方修正し、「足踏みがみられる」とした。2カ月連続での減少や、電子・通信機械や工作機械の落ち込みなどが背景。もともと弱めの動きだった製造業で、円高を背景に情報通信機械や一般機械など主力業種からの受注が減少傾向にあるほか、底堅い動きを続けてきた非製造業も、このところ全般に弱めの動きに転じている。今後の動きは予断を許さないとみられる。年初来の円高や個人消費の弱さの影響に加え、6月以降は英国の欧州連合(EU)離脱に伴う先行き不透明感や一段の円高の影響が懸念される。一方で、経済対策など政策効果がセンチメントの改善に寄与する可能性もあり、企業の投資マインドがどう動くかが注目される。市場関係者からは「設備投資は設備不足解消のため緩やかな増加基調にあるものの、目先はセンチメント悪化から投資が先送りされる可能性があることを示唆している」との見方が聞かれた。また「設備投資は16年中、おおむね横ばいで推移するとみているが、このところの機械受注の動きから判断すると、リスクは下向き」との懸念も示されている。

 karou_man