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useful買い物や通院の「弱者」問題顕在化 地域公共交通の持続へ一丸

更新日:2017.11.06|お役立ち情報 お知らせ 新着情報 地域

 少子高齢化に伴う人口減少の深刻化で、移動手段を公共交通機関に委ねる「交通弱者」の課題が、県内でも顕在化している。買い物や通院など、日常生活を維持する地域交通サービスの確保が重要として、国土交通省と県、県バス対策協議会は先月末、山形市内で研修会を開催。市町村や交通関係者らが参加し、全国の先進事例などに触れ、運行の効率化や利用拡大策などを学んだ。

 研修会は「持続可能な地域公共交通の実現に向けた研修会」と題し、山形市の県建設会館で先月31日に開いた。市町村の企画・政策担当部署に加え、福祉や子育てなどの部署を交えた研修は初めてという。

 はじめに、国交省が現状や将来予測などを紹介した。人口推計によると、日本の総人口は2047年に1億人程度まで減少し、60年には総人口の約4割が65歳以上になる。

 交通環境の現状は、郊外化の進展によって市街地が拡大し、マイカー保有台数の増加で地域公共交通の位置付けは相対的に低下。バスは地方部で利用者減に歯止めがかからないとし、地域鉄道も1991年と比べ2割程度減少している。

 中山間地域などの交通網維持、高齢者の買い物支援、人手不足の運送業の効率化で期待が高まるのが「貨客混載」サービス。規制緩和で、タクシーや貸し切りバスで荷物を運んだり、貨物車に客を乗せたりすることが今年9月から可能になった。対象地域は、過疎地を抱える人口3万人未満の市町村などで、酒田市の旧八幡町、旧松山町、旧平田町などが含まれている。

 また、地域住民に加え、観光客などの来訪者を新たな需要として取り込み、地域公共交通の活性化を図る考え方も進められている。まちづくりや観光振興策と一体化して検討することで利便性を引き上げ、持続的な地域交通を構築することが重要だとしている。

 事例紹介では、高畠町の道の駅「たかはた」を拠点とした自動運転サービスの実証実験、県の各種支援制度などが取り上げられた。県は今回の研修会を通じ、具体的な取り組みが進むことを期待している。

※山形新聞より抜粋