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useful県内経済「緩やかに回復」 公共投資、足踏み

更新日:2015.09.26|お役立ち情報 新着情報 地域 経済

日銀山形事務所は16日、県内経済概況(月例)を発表した。県内景気については「緩やかに回復している」との判断を継続した。回復基調は27カ月連続。住宅投資は増加しているものの、公共投資は弱めの動きが続いており、生産も足踏み状態となった。同事務所の中村浩行所長は「日本の景気は崩れていないが、今後は中国経済の状況なども注視していきたい」としている。

 8月の公共工事請負金額は、市町村、独立行政法人の発注は増加したが、国、県などが減少。発注額10億円以上の大型工事もなく、2カ月連続で前年の水準を下回った。一方、7月の建築着工床面積(民間非居住用)は、卸・小売り、医療・福祉などが減少したため、3カ月連続で前年割れ。ただ、県内企業の設備投資計画が上方修正されているため、設備投資は緩やかに増加しているとした。

 個人消費は底堅く推移している。7月の大型小売店売上高(既存店ベース)は、身の回り品、雑貨、食料品は堅調だったが、衣料品や家庭用品が振るわず、2カ月連続で前年水準を下回った。家電販売は、冷蔵庫や洗濯機など白物家電やエアコンといった季節家電を中心に持ち直している。8月の乗用車新車登録台数(軽を含む)は17カ月ぶりに前年水準を上回った。

 住宅投資は増加した。7月の新設住宅着工戸数は持ち家、貸家、分譲のいずれも増加し、東北では最も高い伸び率を示した。7カ月連続の前年超えで、地域別では酒田、鶴岡、東根が2倍以上の伸びを見せた。

 生産は足踏み状態。6月の鉱工業生産指数(季節調整済み)は2カ月連続で低下した。電子部品・デバイス、情報通信機械など12業種は上昇したものの、はん用・生産用・業務用機械、食料品など10業種が低下した。雇用・所得環境は改善が続く。7月の有効求人倍率は1.20倍で、高水準を維持。6月の常用雇用指数は6カ月連続で前年を上回ったが、同月の所定外労働時間は5カ月連続で前年を下回った。

 先行きについて中村所長は「アジアのマーケットの不透明感が増しているようだが、今のところ、企業へのヒアリングで中国の影響は聞いていない」とし、「次の県内企業短期経済観測調査の結果を見なければならない。先行きの判断は難しいが、悲観的な見方をする必要はないと考えている」と話している。

※山形新聞から抜粋