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useful免許返納者へ広がる支援 県内17市町・公共交通の運賃補助

更新日:2017.01.13|お役立ち情報 新着情報 ライフ

運転免許を自主返納した高齢者に公共交通の運賃を補助する支援事業が、県内各市町で広まっている。昨年取り組みを始めた長井、天童の2市を含め、現時点で17市町が事業を行っている。交通機関でも独自に割引運賃を設けている。支援が継続的でないなど課題は残るが、高齢者からは「免許がなくても出掛けられる」との歓迎の声が上がる。自治体は「支援を有効活用し、事故を起こす前に返納して」と呼び掛けている。

全国的に高齢ドライバーによる事故が相次いだ昨年、県内でも免許返納の流れが加速した。県警運転免許課によると、昨年の県内の返納者は3080人。前年比645人増で過去最高を記録した。昨春から返納窓口を交番や駐在所に拡大したことも増加の要因だという。

一方、通院や買い物で日常的に車を使う高齢者にとって、免許返納による生活への影響は大きい。代替措置として、行政などが公共交通の運賃を補助して対応する必要がある。

県内では酒田市が2008年に事業を始めて以降、これまで17市町がバスやタクシーの無料券交付などに取り組んでいる。今後、寒河江市など7市町村が返納者への特典支給を予定。新庄など10市町は交通機関が未整備などの理由で「予定はない」としている。鶴岡市は庄内交通(同市)が行う事業に補助金を出しており、間接的に支援している。

最近支援を始めた長井市。昨年10月から市営バスの回数乗車券を1万5千円分支給している。市民から好評で、対象者は増加傾向という。

運賃補助が「返納を決断するきっかけになっている」と遊佐町。同町は65歳以上の返納者にタクシーの初乗り券を支給しており「制度があるうちに返納した」と話す町民もいる。

交通機関も独自の支援を用意している。山交バス(山形市)と庄内交通は返納者限定で、年齢制限なく1カ月間乗り放題の定期券を販売(高速バスなどは除く)。タクシー業界は返納を証明する書類を提示すると運賃を1割引きにする所もある。

一方、対処すべき課題も残る。白鷹町では、認知症の高齢者が免許返納するとタクシー券を受給できるが、申請できるのは1回のみ。「継続的な支援を」と不満が上がる。中山町は09年から5年間、バスの無料乗車券を発行したが、利用者は少なかったという。

利便性の問題なども残るが、高齢者は事故を起こすリスクが大きいことから、自治体は「運転に不安を覚えたら、免許の返納を考えて」と呼び掛けている。

※山形新聞より抜粋

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