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useful正規と非正規、待遇格差改善に遅れ 県経営者協の19年度雇用動向調査

更新日:2019.12.21|お役立ち情報 お知らせ 新着情報 ビジネス 地域 経済

県経営者協会(会長・寒河江浩二山形新聞社長)は16日、会員企業対象の2019年度雇用動向調査の結果を公表した。初めて設定した「正規・非正規社員間の待遇格差改善」の項目では「取り組んでいる」との回答が4割弱、「取り組んでいない」「検討中」は合わせて6割超となり、取り組みの遅れが浮き彫りになった。

 働き方改革関連で、パートタイム労働法が改正されパートタイム・有期雇用労働法として2020年4月1日に施行される。正規社員と非正規社員との間で、基本給や賞与・手当などの不合理な待遇差が禁止される。中小企業への適用は21年4月から。

 待遇格差改善に取り組んでいる企業は38.5%、取り組んでいない企業は23.1%、検討中は38.5%だった。取り組んでいる内容(複数回答)は「基本給・時給の増額」と「賞与・一時金の支給」がともに56.0%で最多。「年次有給休暇制度の導入」(40.0%)が続いた。今後、取り組みたい内容は「諸手当の支給・増額」(32.5%)がトップ。正規社員にあって非正規社員にはない手当・制度は「退職金」(82.5%)「家族手当」(57.1%)「役職手当」(55.6%)が上位となっている。

 働き方改革の調査では「取り組んでいる」との回答が82.1%と前回の63.8%から大きく増え、東北全体の82.8%とほぼ同水準だった。「取り組んでいない」は3.6%(前回5.0%)、「検討中」は14.3%(同31.3%)。

 具体的な取り組み(複数回答)は「年次有給休暇などの取得促進」(92.8%)が最多で、「時間外労働の削減・抑制」(84.1%)「業務改善・業務効率化」(66.7%)と続いた。改革を推進するための課題(複数回答)の上位は「生産性の向上」(60.5%)「従業員のやりがい・働きがい」(46.9%)「優秀な人材の確保」(37.0%)など。

 雇用人員の現状(9月)について、「不足」と回答した割合は53.0%と前回比4.5ポイント減少したものの、先行きを「不足」とする回答は67.1%に上った。

 今春新卒者を採用した企業は前回と変わらず75.0%。正社員の採用の考え方では、「新卒一括・中途採用の組み合わせ」が3.3ポイント増の68.3%で最多。

 業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた9月の景況感判断(DI)は、マイナス26.5と前回比で16.5ポイント悪化した。先行きは全体でマイナス33.7までダウンすると見通す。

 調査は東北6県の経営者協会が行い、11回目。県内274社を対象に調査し、84社から回答を得た。

※山形新聞より抜粋