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useful本県、従業員教育に遅れ 東北・新潟17年度、宿泊施設の訪日客受け入れ調査

更新日:2019.03.29|お役立ち情報 お知らせ 新着情報 ビジネス 地域 経済

日本政策投資銀行東北支店などは27日、東北6県と新潟県の宿泊施設を対象にした2017年度のインバウンド(海外からの旅行)受け入れに関する調査結果を公表した。本県は受け入れゼロの施設が19%と福島に次いで多い一方、今後受け入れ比率10%以上を目指す積極的な施設が23.1%と7県で3番目に多かった。また従業員教育や災害時の避難対応などの取り組みが他県に比べて遅れている現状が浮かび上がった。

 本県でインバウンド受け入れ比率が5%以上の宿泊施設は10.5%。2割を超える青森、新潟に比べると低い水準となっている。今後の受け入れ比率に関しては10%以上を目指すという施設が23.1%に上る一方、2%未満という施設も20.5%で、積極的な施設と慎重な施設で姿勢が二極化していることがうかがえる。

 月別のインバウンド客数は樹氷シーズンの2月が最多で42.4%。11月が最も落ち込み、7.1%だった。他県に比べ、2月に集中しており、同支店は「2月は山形の強み。逆に山形の閑散期が隣県の繁忙期に当たるケースもあり、広域周遊など近隣県との連携で繁忙期と閑散期の差を解消することができるのではないか」とする。

 受け入れを進める際には、外国人宿泊客対応のための従業員教育も重要。施設側からは人材育成のための支援を求める声も多かった。従業員教育に関し、「対応済み」とした施設の割合は10.5%と7県の中で最も低く、対応を検討していない施設の割合も半数に上った。「検討中の施設への支援が必要」と同支店。災害時の避難対応や医療機関紹介などの取り組みも本県は「対応済み」が6.7%で、7県中最低だった。

 訪日客を対象にした調査では、旅行中に被災した場合、「宿泊施設での避難誘導があると安心」と答えた人が多く、同支店は「東北地方は東日本大震災を経験している。全国の中でも先進的な取り組みができれば」としている。

 調査は東北、新潟の主要宿泊施設を対象に昨年8月から11月に同支店と東北運輸局、東北観光推進機構が実施。従業員が10人以上の施設692カ所の調査結果をまとめた。
※山形新聞より抜粋