経営のことなら株式会社アルファ・コム

useful女子高生のスマホ利用平均時間は7時間…

更新日:2015.04.22|お役立ち情報 お知らせ 新着情報 ライフ

情報セキュリティメーカーのデジタルアーツは2月9日、東京都千代田区にて「第7回未成年者と保護者のスマートフォンやネットの利活用における意識調査発表会」を開催した。玉川大学大学院教職教育学研究科准教授の近藤昭一氏や、デジタルアーツ代表取締役の道具登志夫氏らが登壇し、子どもとネット環境の関わりや、デジタルデバイスを活用したこれからの子育てについて公演を行った。

 「未成年者と保護者のスマートフォンやネットの利活用における意識調査」は、デジタルアーツが2011年12月より定期的に行っている調査。今回は、同社が1月に実施した第7回目の調査結果が発表された。同調査は、10~18歳を中心とする未成年者とインターネット接続端末における利用実態調査に加え、保護者のネットリテラシー教育に対する意識についての調査も含まれている。インターネット調査により、1,213名から有効回答数を得た。

 第1部では、未成年者のスマホ所有率やフィルタリング導入率の推移をはじめとする調査結果について、デジタルアーツ経営企画部の吉田明子氏が講演と解説を行った。

 発表によると、今回の調査におけるスマホの利用率において、未成年が所有する電話の中でスマホを利用している割合は65.0%だった。詳細は、小学生が39.3%、中学生が59.7%。高校生は利用率がもっとも高く、96.1%。性別・学年別でみると、女子高生の利用率はほぼ全員に近い98.1%にのぼる。スマホで利用しているコンテンツは無料通話アプリ「LINE」(61.8%)や、ゲーム(41.4%)、動画(39.2%)が目立った。

 スマホにフィルタリングを導入している率では、小学生の使用状況が前回の調査から8.8%増加しており、54.7%となった。低学年ほどフィルタリングの導入率が高い理由として、インターネットを利用した犯罪から保護者が子どもを守ろうとし、積極的にフィルタリングをかけるような動きが出てきたことを吉田氏は指摘した。

 スマホの1日あたり使用時間は、平均利用時間が3.0時間であることに対し男子高生は4.1時間、女子高生は7.0時間と、長時間化する傾向にあった。女子高生の利用時間が多いことに関しては、近藤氏が「女性は男性と比較して人間関係を重視する傾向があるため、こういった結果が出た」とコメントした。また、スマホの1日の使用時間帯でもっとも多いのは18~21時で、女子高生の約4人に1人が夜中の0~3時に使用していることがわかった。

af9940075334w

 0~9歳の子どもを持つ保護者が、子どもに渡した端末で想定外の使い方をされ驚いた経験は45.7%存在。主な使われ方は「動画を見ていた」(54.0%)、「電話が発信されていた」(37.9%)、「カメラアプリを起動していた」(30.5%)など。望まないサイトでありながら、子どもが利用している際に表示されてしまった中で多いサイトは「アダルト・ポルノ」、「出会い系」「ゲーム」であったことを保護者全体の6割が回答した。

 情報モラル教育に主体となって取り組むべき、と保護者からの要望が強かったのは「学校・教育機関」が69.7%ともっとも高く、次いで「保護者・家庭」とする回答は59.1%だった。保護者の情報リテラシーに対する意識の高まりは、近年増長しているという。

 第2部では、玉川大学准教授の近藤氏が登壇し、「子どもの成長とメディアコミュニケーション」をテーマに、子どもの成長・発達過程におけるデジタル社会との接し方について講演した。

 

近藤氏は、モバイル社会における子どもの心の成長や自立に焦点をあて研究を重ねてきた経験から、ネット利用が子どもの自我形成に悪影響を及ぼす可能性に警鐘を鳴らす。ベビーカーに古いスマホをつけ子守りをする「スマホ子守り」は子どもとのアイ・コンタクトを阻害し、第1部でも触れたように学生が夜中に携帯電話を利用することはネット依存者を生む原因になるかもしれない、と話した。

 第3部では、近藤氏とデジタルアーツ経営企画部主任の田中耕太郎氏が第1部と第2部の内容を交え「デジタルネイティブ世代の子育てについて」トークセッションを行った。

 調査結果について、近藤氏と田中氏が驚いたとして挙げた点は、女子高生のスマホの使用時間が平均値より高い値であったことや、「スマホ子守り」が象徴するような、モバイル端末やデバイスが従来の教育の代替となってしまっていることだった。

 両氏は、情報化社会において、「子どもにインターネットを利用させない」という方法が決して正しい方法ではないことを言及。保護者も利用法をよく理解し、子どもに教育を行い、ネットはあくまでも人間関係を育む場所や自分の居場所ではなく、「便利な道具である」ということを伝えることが必要であるとコメントした。

 近藤氏は、具体的に保護者が子どもをネットに潜む危険性から守る方法はふたつあるとする。ひとつは利用の制限と、もうひとつは、コミュニケーションを積極的に促し、自己形成の基盤づくりを助力することだという。実際に、田中氏は小学1年生の実子に、「1日30分まで」、「長い時間利用したい場合は理由を言うこと」など、制限をかけることと、親子の会話が密に取れるような工夫を施しているエピソードを披露した。

 教育ICTの進化や浸透が益々の広がりを見せる今日の情報化社会において、利用者である子どもはもちろん、デバイスを授ける保護者自身もメディアに対する理解を深めることの重要さは今後さらに求められていくことであろう。デジタルアーツは教育機関や児童を対象とした啓蒙イベントや講演会、保護者を対象とした利用の相談や提案を今後も継続して行っていくとする。

 同社は、実際の講演会やイベントで利用する資料を公開しており、Webサイトより無料でダウンロードできる。

 

※  デジタルアーツより抜粋